親の心理状態が子供の心理状態にどう影響するのか
アイリス幼児教育代表/非認知能力育成トレーナーのあやです。
親子は鏡の関係とも言われますが、親の心理状態は子供の心理状態に大きな影響を与えます。
それだけ親子の関係は密接だということですね。
特に子どもが幼い場合は、親の感情や態度から多くを学び、成長していきます。
そこで今日は親の心理状態と子供の心理状態の関係性と、親の心理状態が子供の心理状態に与える影響について具体的に5つお話します。
親子の感情は伝染する
子供は親の感情を敏感に感じ取り、その影響を受けやすいです。
親がストレスや不安を感じていると、子供も同様の感情を感じることがあります。
例えば、親が仕事や外部のコミュニティで人間関係等のストレスを家庭に持ち込むと、子供は親の不安や緊張を感じ取り、落ち着かなくなったり、不安を感じることがあります。
逆に、親が笑顔でリラックスしていると、子供も安心感を覚え穏やかな気持ちで過ごすことができるとも言えますから、私たち親はいつでも自分の機嫌は自分で取るようにしたいものです。
行動パターンは伝染する
子供は親の行動を観察し、それを模倣します。
多くの親は子供に本好きになることや勉強することを望みますよね。
そのためにはまず、手に届くところに本棚に本がある状況を作り、なおかつ親自身が学ぶ姿を見せることが重要です。
過去の経験を振り返ってみて「親は勉強しなさいっていうけど、そもそも自分がやってないことを人に要求するなんて意味がわからない」のように感じた経験はありませんか?
子供に対して何かを要求・希望する場合は、まず親自身が背中を見せることが重要です。
また、これは問題解決する場合、困難を乗り越える場合等どのような行動にも当てはまります。
例えば親が冷静に問題を解決する姿を見せると、子供も同様の方法で問題に対処することを学びますし、親が感情的になりやすい場合、子供も感情のコントロールが難しくなることがあります。
「親の背中を子供はいつでも見ている」
このことは忘れないでくださいね。
安定感と安心感は伝染する
親の心理状態が安定していると、子供も安心して生活することができます。
逆に、親が不安定な状態にあると、子供も不安定さを感じやすくなります。
私たちが親として安定した日常生活を送っていると、子供は予測可能な環境でも安心して成長することができます。
そして子供は、この心理的安全が確保された環境においてこそ、自分の考えや感情を自由に表現できるようになっていきます。
この、表現する、そしてそれを受け入れてもらえるという経験の繰り返しが自己肯定感を高め、自分に対しての信頼感や自信を育むために非常に大切です。
さらに、親の心が安定していると、子供は失敗を恐れずに新しいことに挑戦できるようになり、失敗や成功といった様々な経験を得ることができます。
子供も自分が何かしたことで親の心理的安定感が揺るがないとわかっているため、失敗を恐れずに試行錯誤を通じて学び続けるでしょう。
結果的に学習意欲が向上し、知識やスキルの習得も加速していきます。
子供に勉強ができるようになってほしいと願うならば、まず親であるあなた自身が安定感と安心感を持って生活することが非常に大切であることが伝わるでしょうか。
親子の信頼関係は伝染する
親の心理状態が良好に保たれていると、親子の信頼関係は強化されていきます。
理由はいくつかありますが、その1つが親が子供に対して一貫性のある対応ができるようになることです。
子どもは親の一貫性のある対応を通じて、親の反応をある程度予測できるようになります。
そして自分が何を言っても受け入れてもらえるという経験の積み重ねにより、子どもは安心感を抱き親に対する信頼感が深まっていくのです。
一貫性のあるルールや期待は、子供の行動の指針となり安定した環境を与えることと同様の効果がで期待できます。
その他、良好な心理状態の親は、子供の感情や状況に対して共感する力が高まります。
共感的に接することで、子供も自分の感情や経験が尊重されていると感じられるのです。
これにより、子供は親に対して心を開きやすくなり、信頼関係が強化されます。
そのためにも親が子供の視点に立ち、理解しようとする姿勢が重要です。
親の心の安定=心の余裕を保つことが大切です。
学習意欲と自己効力感は伝染する
親のポジティブな心理状態は、子供の学習意欲や自己肯定感にも良い影響を与えると言われています
親が学ぶ姿勢を見せることの重要性は先述の通りです。
親が楽しそうに学び続ける姿を見た子供は、子供自身も学ぶことの楽しさを感じ、学習意欲が高まります。
また、親が子供の小さな成功を褒めてあげることで、子供の自己効力感が育ちます。
最後に
親子とは言え、別人格を持つ人間同士の付き合いは様々なことがあります。
当然いいことばかりではなく、愚痴りたいこと、イラッとすること、爆発してしまうことも出てくるでしょう。
しかし、その原因を作っているのはあなたの精神状態、つまり心の余裕のなさかもしれません。
子供がいけないことをしたら叱る、社会的ルールやマナーを躾けることはもちろん必要です。
その一方で、負の感情がおさまった後に冷静になって振り返ってみると、子供がしたことは怒りのトリガーを引いてしまっただけで、それまでに自身の精神が保てなくなってしまう「何か」があり、八つ当たりのような形で子供にぶつけてしまったという場合もあります。
これまで話してきたとおり、親の心理状態は、子供の心理状態や行動に直接的にも間接的にも大きな影響を与えます。
親が自分の感情やストレスを上手に管理しポジティブな心理状態を保つことは、子供の健全な成長と発達に非常に重要だということは覚えておきましょう。