さて今回は、 国立小受験にクマ歩きが必要な理由と家庭でできる対策法についてお話します。
クマ歩きと言えば 筑波大学附属小学校 というイメージが 強いかもしれませんが、筑波小だけでなく、お茶の水女子大学附属小学校、東京学芸大学附属小金井小学校などの国立小をはじめ、私立小でも出題されることがあり小学校受験では外せない運動の1つです。
でも、なんでクマ歩きなの? と思ったことありませんか。
今日はその疑問にお答えします。
クマ歩きが出題される理由
まずは クマ歩きが出題される理由から話していきますね。
早速ですが、クマ歩きが出題される学校は、課題を通して主に下の3点をチェックしていると考えています。
- 長時間椅子に座って授業が受けられるか
- 授業中に良い姿勢がキープできるか
- 運動機能が健やかに成長しているか
クマ歩きが上手にできる子は、体がバランスよく鍛えられていると言われていますから、授業中も良い姿勢を保持する力があり、授業も集中して取り組むことができます。
そして何より、国立小が担っている大切な使命として私たちが忘れてはいけないのが、初等教育の研究機関として役割についてです。
国立小で行われている研究の成果は、研究会等で全国の先生方がご覧になります。
その時に、座っていられないお子さんや授業に集中できていないお子さんがいたらどうでしょう?
きっと全国の先生方は困惑なさいますよね。
研究会をスムーズに進め有効性を高めるためにも、演者(あえてそう表現します)であるお子さんが醸し出す雰囲気というのはとても大切です。
クマ歩きで大切なこと
クマ歩きの試験では、とにかくスピードを上げればいいとお考えの方も多いように見受けられますが、そうではありません。
先ほど話した通り、国立小に通う子は「見られること」が多くなります。
ですから当然、クマ歩き前後の指示が聞けているか、守れているか、良いお返事ができる、良い姿勢で待っていられるか、挙手の仕方やお返事の仕方といった立ち居振る舞いがとても大切です。
ですから私は、受験体操は必ずプロの指導を仰ぐよう伝えています。
しかし保護者の方にはたまに「うちの子は運動が得意なので大丈夫です」と言われてしまうこともあるのが現状です。
繰り返しますが、国立小の運動考査はで大切なのは、運動能力向上を図るというより指示行動であり、所作の習得です。
いくらクマ歩きが早くても、待機中に椅子の背もたれに寄りかかってダラッとしていたら?
クマ歩きは転ばずにゴールしても 先生に呼ばれた時に はっきりと大きな声で お返事できなかったら?
全国の先生方の見本であることが求められている先生方がこの子を来年指導したいとならない可能性大です。
それよりも、クマ歩きで転んだけどすぐに立ち上がって諦めずに 最後までやり切った!とか、お友達を応援しましょうって言われたから、 転んでしまったお友達に対して精一杯声を出してエールを送った! 等、国立小の先生方はそういう面を評価してくれる傾向にあります。
クマ歩きは早ければいい、クマ歩きは転ばなきゃいい、クマ歩きはゴールさえすればいい、という単純なものではないことを親である私たち自身が理解しておきましょう。
先生方はもっと俯瞰して入室から退室まで総合的に見ていらっしゃいますからね。
家庭でできるクマ歩き対策
最後に知り合いの受験体操の先生から教えてもらった家庭でできるクマ歩き対策をご紹介します。
まずクマ歩きをスムーズ 行えるようになるためには、体幹と腕の力が必要です。
そして、体幹を鍛えることができる代表的な屋内遊びは、バランスボールとトランポリン。
実際にやってみればわかることですが、トランポリンって真っ直ぐ飛ぶにもコツがいります。
上手に飛べるようになるために 体幹で上半身を支える必要があるので、遊びながら鍛えるという意味では最高のアイテムです。
もし、住宅事情によりトランポリンの導入が難しい場合は、バランスボールを活用しましょう。
お子さんをバランスボールの上に立たせ、保護者が手を繋ぎジャンプをサポートすることで、体幹と腕の力の両方を鍛えることができます。
その他、廊下の雑巾掛けや室内移動時はあざらし歩きや手押し車をする等、ながらでできるトレーニングを取り入れることで、取り組みのハードルはグッと下がります。
体幹を鍛えることは、クマ歩きが上達する他にも、怪我をしにくくなる、運動能力が向上する、バランス感覚が養われる、学習意欲が向上する(!!) 、自己抑制ができるといったメリットがあります。
日常生活の中で少しずつ取り入れて、小学校入学に必要な学びの土台をご家庭で作っていきましょう。